映画「悪い夏」の伏線考察について説明します。
今回先に原作を読んでから観たのだけれど、原作と異なるところがあっても全然オッケーで楽しめました!
今さらながら役者さんってすごい!!
今回考察するのは下記の「5つ」です。
1.後半に効いてくる伏線
2.そこに救いはあるのか
3.ホントにこわいと思ったキャスト
4.ここが原作と異なる
5.映画で伝えたかった事(個人感想)
①後半に効いてくる伏線
映画で気になる伏線は 高野の動き と 宮田の動き ですね。
この二人の行動は後半にガッツリ回収されるんだけど実にいい働きをします 笑
いままでまったく接点のなかったドタバタに全員乱入みたいな展開 僕は大好きでした!
原作では山田の裏のお仕事が佐々木の闇落ちにかなり関係しているのだけど、映画ではフルカットでそこは残念だった。
②そこに救いはあるのか
出来事としては暑すぎる夏のさなか 2か月あまりで起こったのだけど、全体をみるととっても不幸な事が詰まってるんですよね。
世間で問題視されそうな 生活保護の不正受給があって、半ネグレクトなシングルマザーがいて、ドラッグの密売をするヤクザとそれに手足として使われるドロップアウトした男や弱みにつけこむ公務員 などなど
これだけ見ると救いようがない状態 笑
そこに闇落ちした公務員が加わるんだから おそろしい。
唯一の救いは 半ネグレクトだった愛美が娘の美空に愛情を抱き、美空もそれに応えていく展開があった事かな。
美空は最後にいい働きしますし 彼女の存在はエンディングにも欠かせないものになってますね。
いい子です♪
③ホントにこわいと思ったキャスト
この映画、ホラーでもミステリーでもないのだけど 結構全体的に暗い 笑
題材のせいかもしれないけど、陽キャっていないんじゃないかな
ちょっと覇気のないケースワーカー・佐々木(北村巧海)といい、真面目過ぎるケースワーカー・宮田(伊藤万理華)も性質は暗め、半ネグレクトで恐喝される愛美も完全に世の中に期待してないし、その娘はほぼ感情がない。
そんな中、北村巧海の「死んだ目」と河合優実の「諦めきった表情としぐさ」すごいと思った! 小説では内面の声が文章として伝えられるけど映画ではそれが 目線やしぐさでしっかり理解できるんだよね。 やっぱ役者さんってすごい
で、ヤクザな窪田正孝もハマってて怖かったんだけど、そういう怖さじゃないとこで僕は一番怖い人に「宮田」をあげます。
なにが怖いって この人普通に精神的にぶっとんでることが最後にわかっちゃう。
後半の行動と言動で薄々ヤバいのはわかるけど、最後に出てたシーンは「怖っ」って普通に思ってしまった。
④ラストは原作と異なる
原作から大幅に削って映画を作るってのはよくあることですよね。
なので原作と別物として観たほうが楽しめるのはわかるんだけど、どうしても比較してしまうのが人の性 笑
ここであまり詳しく書くとネタバレになってしまうからサラッと触れるけど、原作で結構重要だとおもったファクターがごっそり抜けてます。 ここだけ知るためだけでも原作は読んで欲しい!!
ホント 個人的な思いとしてはその部分はあって欲しかったー。
その方が、闇落ちがより深くなっていくのでその演技をどうやってするのかが とっても見たかったなと 思うのですよ。
その部分をぬいたのでラストもガッツリと変わっていくのですが 映画を観ていくとまったく違和感はないので正解なんだろうなとは思います。
あくまで僕個人の願望です 笑
⑤映画で伝えたかった事(個人感想)
人間の弱さと脆さ 強さと救い みたいなものが描かれていた気がします。
原作よりも「救い」の部分は多いので、見終わった後の気持ちの持ちようは小説よりも軽くなりました。
色々と救いがたい人たちがやらかした ひと夏のどんちゃん騒ぎ
普段まったく触れていなくてもどこで巻き込まれてもおかしくないな と 思わず感じてしまう。
善意を逆手に悪用されたら、抗えないってことかー と切なくなったりもします。
結果的にあの3人だけでも幸せな時間を過ごせるようになってほしい と 救いの部分で思わずにいられませんでした。
以上が、映画「悪い夏」の伏線・考察についてでした。
◆総合評価&あらすじ
映画「悪い夏」のあらすじ
第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し「クズとワルしか出てこない」と話題を呼んだ染井為人の傑作小説がまさかの映画化!
脚本は『ある男』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した俊英・向井康介。監督は、田中圭、磯村勇斗、山田裕貴ら実力派の人気俳優たちを主演に迎え、数多くの傑作を作り上げてきた鬼才・城定秀夫。そして主人公・佐々木を演じるのは、映画・ドラマの大ヒットが続く北村匠海。真面目に生きるも気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれてゆく男の姿を渾身の力で体現する。更に色仕掛けで佐々木を犯罪へと巻き込んでゆく育児放棄寸前のシングルマザー・愛美を演じる河合優実をはじめ、裏社会の住人で犯罪計画の首謀者・金本役に窪田正孝、正義感に燃える佐々木の同僚・宮田役に伊藤万理華、愛美に肉体関係を強要する佐々木の先輩・高野役に毎熊克哉、金本の愛人・莉華役に箭内夢菜、金本の手下でドラッグの売人・山田役に竹原ピストル、息子と2人困窮した生活から万引きに手を染める古川佳澄役に木南晴夏など豪華俳優陣がクズを狂演!中毒者続出の“極悪小説”と日本映画界の旗手たちによる奇跡の化学反応が生み出した衝撃のサスペンス・エンターテインメント!
引用:映画「悪い夏」オフィシャルサイト
◆みどころ(おすすめポイント)は?
映画「悪い夏」ってどんな映画なの?という人は、上の1分半くらいの予告編映像(YouTube動画)もチェックしてみてください。
それでは、映画「悪い夏」の見どころを2つ、ネタバレなしでご紹介します。
見どころ①:闇落ち加減が見事すぎる
佐々木の闇落ち具合が見事すぎてまさに見どころ! 北村巧海さんの目がホントいい味だしててたまらん。 あの無気力な魂の抜けた目はなかなかみれない!
見どころ②:最後の怒涛の攻撃
ラストはこれでもか!! っていうぐらいドタバタが凝集して手に負えなくなる 笑
まさに喜劇なやり取りと、原作とはちがう落としどころは見ものです!
◆印象に残ったセリフ・シーン
ここで上げたいのは河合優実さん演じる「林野愛美」の親としての変化ですね。
人間関係、特に説明はないものの、親子愛や家族愛への希望や期待などまったくないかのような人間でした。(たぶんね)
しかし佐々木と出会ってから徐々に娘への愛情がでてきており、最後は守ろうと行動するあたりの変化がその表情からもわかるのがすごいなと!
「愛は美しい」って名前負けじゃん! と思ってたけど いやいや最後はしっかり愛情に助けられてましたね。
絶対にネタバレ厳禁なラストシーン
今回のラストは原作とまったく違うのですが、どちらが良いか とは思わなかったですね。
むしろ映画の流れを見ているとこのラストがしっくりくるって思いました。
原作の柱にもなる出来事をごっそり除いてきたのでどうなるのかとおもったけどさすがですよね!
◆みんなの評判は?
実写映画「正体」は世間でも話題になりました。
◆こんな人におすすめ
邦画サスペンスが好きな方や一風変わった展開を見たい方、さらには原作との違いをじっくり確認したい方にはぜひぜひ観てほしい!
【まとめ】
映画「悪い夏」の伏線考察について説明しました。
1.後半に効いてくる伏線
2.そこに救いはあるのか
3.ホントにこわいと思ったキャスト
4.ここが原作と異なる
5.映画で伝えたかった事(個人感想)
気になるよね
これ 原作もいいから
是非チェックしてみて!