一般的に公開映画を地上波で放送するタイミングは、劇場公開から1年~1年半ぐらいが多いものです。
なので
・劇場公開:2024年11月29日
・VOD開始:2025年1月31日からネットフリックスの独占配信
・地上波放送:2026年1月~7月頃
と 予想されます。
今すぐ見たい方はネットフリックスに登録するしかありません。
が、時期が来ると地上波でも見れるようになるので気長に待つのも手段ですね!
また 原作ではより細かいところまで楽しめるので、地上波までの間に読んでおくのも良いかも♪
今回は「正体」実写版の伏線・疑問点について解説します。
今回紹介するのは下記の「5つ」
1.鏑木の目的と正体は?
2.犯人はだれ?
3.又貫刑事の心理変化はありえるのか?
4.ラストが原作と異なるのはなぜ?
5.映画で伝えたかった事はなにか?
①鏑木の目的と正体は?
そもそもが冤罪を扱った作品なので、一家三人を惨殺した犯人として捕まった鏑木(かぶらぎ)は
自分の無罪を明らかにすることが目的。
演じているのは横浜流星さんですね。
さてこの鏑木、最初の段階で死刑判決になっており移送中に逃亡するわけだけど
結構杜撰な誤認逮捕であったり、運任せな脱走であったりするので
この最初のとっかかりはなかなか無理のある設定だと感じてしまう。
とはいえ作者自体も作品はエンタメ小説だと言っているので
伝えたい事に対してそのあたりは些末な事という事なのでしょう たぶん。
作品タイトルでもある「正体」ですが
脱走した鏑木は自分の身元を偽り続けて逃走しながら真相を明らかにする
手段を得ていきます。
その際に関わった人たちがそれぞれ薄々本来の「正体(鏑木)」に気づいて
いくわけだけど、はたして彼がそんな事件を本当に犯すような「正体」を
もっているのとは思えない
行く先々で出会うひとを助けていく彼にみんなが協力者となっていきます。
現場作業員に始まり情報サイトのライター、水産加工作業者、グループホームの職員というように点々としていくのですが、最終的な目的は自分が逮捕された際に
目撃者ともなっている井尾由子(原日出子)に身の潔白を証明してもらう事です。
原作では徐々に目撃者がどこにいるのか明らかになる要素として
旅館とパン工場も加わっているのでわかりやすいです。
が、映画ではいきなりグループホームに目撃者がいる事がわかっているような展開で 一瞬?? となりました。
僕だけなのかな??
ともあれ そこに行きついた彼は最初は穏やかですが追い詰められてからは
半ば強引な感じに身の潔白を証明していきます。
その展開は原作と違うのですが個人的には好きな展開でしたね。
②犯人はだれ?
ここでいう犯人は(真)犯人の足利清人(山中崇)
ベつの人間が逮捕されたのをいいことに同じようなことをやらかして別件逮捕されます。
このあたりも そうなるかー? って展開なのは否めませんが
これによって冤罪の鏑木はこいつが犯人だと気づき、捕まえた又貫刑事(山田孝之)も「やべえ冤罪かもしれない」ってなんとなく思い至ります。
なので真犯人の逮捕は多分に両者の心理状況を変化させるのに必要だったのでしょう
③又貫刑事の心理変化はありえるのか?
このあたりが原作と乖離した結果、ラストも大きく変化したのだと思われます。
逮捕した鏑木を取り調べていくにつれて上司(松重豊)の圧力にやられ、目撃者
の井尾由子(原日出子)から証言をなかば強引にもぎ取る事で鏑木を犯人にしました。
その時も自分の中で葛藤がある中、別件逮捕された足利清人(山中崇)のやり口が
あまりにも類似していた(ていうか同じ)ため、やはり誤認だったのかと思います。
が 一度逮捕した手前それを間違いでしたなどと警察が言う事など許されず。
犯人は鏑木だ と通し続けます。
ここ最近の話題をみると、現実世界でも冤罪はあるようです が たしかになかなか認められないような
気がしますよね とんでもない労力と時間が必要になりそうです。
原作では刑事は最後まで認めません(軽いネタバレ)
が、映画では鏑木がグループホームで再逮捕された後の記者会見の中で
「誤認逮捕の可能性がある」として再捜査をしていくと 自己判断でぶちまけます。
この心理変化 エンタメからこそあり得るのだろうと思いますが
勧善懲悪的な感じは観ていて気持ちは良かったです。
④ラストが原作と異なるのはなぜ?
原作と映画は異なるものというのは定説ですよね。
尺の関係で原作から大きく取り除いていくのは良くありますし、それによって話が簡略化されるのも致し方がないと思います。
この実写映画「正体」は原作と大きくことなっているところがあります。
それは終わり方!
結果は一緒ですが、観ている方に与えるイメージ?印象?は全然異なります。
実写化にあたってなぜこのように結末を変えたのか当然僕にはわかり得ないのですけどね。
作者の思惑なのか 大人の事情なのか そこはわかりません。
個人的には 映画の終わりで作者が言いたかった事ははたして表現できたのかなー
と思ったけど。
ここは観る側でも賛否が分かれそうですね
っていっても何をいってるかわからないですよね? 笑
そこは
本編を観ると明白です!
しりたいでしょ?
⑤映画で伝えたかった事はなにか?
原作は冤罪事件の当事者にかかる社会の悲壮感とメディアに流れる情報で第三者は犯罪者の正体を決めつけてしまうという 割と重めの人間性がテーマになっているのかなと思っていましたが
映画では、身の潔白をどう明らかにしていくか がメインになっていた感じがしましたね。
もちろん正体というタイトルの通り、人が見えている面はあくまで一面で、その正体は簡単に判断できず、
その人間のいろいろな面に触れたことで人は見方を変えていく という事も描かれてはいます
これも原作にはないのですが
最後、再逮捕されたときに又貫刑事が「なぜ逃げたんだ?」みたいなこと聞くんですよね
それに対する答えが「この世界を信じたかった」なんです。
この言葉でエンタメ感がマシマシになったものの、良い感じにまとまったのかなとも感じました。
ああ このために原作と変えたのね みたいな。
だって 逃げたのは
冤罪で死にたくなくて、どうにもならない苦しさから突発的にやった なんて
言っちゃったら 絵にならないものね
以上が、実写映画「正体」の伏線・疑問点についてでした。
◆総合評価&あらすじ
実写映画「正体」のあらすじ
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)が脱走した。潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った紗耶香(吉岡里帆)、和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)そして彼を追う刑事・又貫(山田孝之)。又貫は紗耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木は全く別人のような姿だった。間一髪の逃走を繰り返す343日間。彼の正体とは?そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。その真相が明らかになったとき、信じる想いに心震える、感動のサスペンス。
出典:映画『正体』公式サイト|大ヒット上映中!
◆みどころ(おすすめポイント)は?
映画「正体」ってどんな映画なの?という人は、上の予告編映像(YouTube動画)もチェックしてみてください。
それでは、実写映画「正体」の見どころを2つ、ネタバレなしでご紹介します。
見どころ①:人は出会うことで人間性の見方が変わる
鏑木と出会った人はその優しさと実直さに心を許すが、正体(殺人犯)に気付いたことで驚きと怯えを覚える。だけれどもどうしても彼が悪い人だとは思えず最後に取った行動は!
見どころ②:捕まえる方の心理と上下関係に揺れる人間性
又貫刑事は鏑木の人間性に触れた人たちの言葉で鏑木が犯人であるという自分の中の事実に疑問を抱く。
自分の立場上下関係に悩みながら出した答えは!
◆印象に残ったセリフ・シーン
最後に語った「この世界を信じたかった」も印象に残ってますが
個人的には養護施設の園長と又貫のやり取りが結構残ってますね
園長は子供のころの鏑木を知っているので「優しい子だった」と言いますが
又貫は「殺人を犯していることをお忘れなく」と反論?します。
ここにも人間の正体というのは一面だけでははかれず、見るものによって変化する
と言う事が描かれてますね
絶対にネタバレ厳禁なラストシーン
原作を読んでいる方にはわかってしまうけど、ラストは結果が同じでもそこに至る経緯が真逆です。なぜこうしたのか
僕なんかではまったく想像がつきません。
原作発表時にも多数意見が上がったようですが、文庫化においてもその点は改変されてなかったのにここにきてなぜ
ですね。
◆みんなの評判は?
実写映画「正体」は世間でも話題になりました。
◆こんな人におすすめ
邦画サスペンスが好きな方や一風変わった展開を見たい方、さらには原作との違いをじっくり確認したい方にはぜひぜひ観てほしい!
【まとめ】
実写映画「正体」の伏線・疑問点
1.鏑木の目的と正体は?
2.犯人はだれ?
3.又貫刑事の心理変化はありえるのか?
4.ラストが原作と異なるのはなぜ?
5.映画で伝えたかった事はなにか?
について解説しました。
そんな「正体」ですが
地上波放送は2026年1月~7月 と予想されます。
今から楽しみにしてましょう!
今回、第48回日本アカデミー賞
最優秀賞を受賞していましたね! おめでとうございます!!